有限会社サンエナジー

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「建築設備工事、施工管理のミニ知識」

人材育成に夢中になっていましたら、アッと言う間に1年半が過ぎてしまいました。
前回の前書きで、今弊社に残っている方は高学歴の方だけと書きましたが、今は高学歴の方は残っていません。今、当社にいる方は、本当にやる気がある方だけで、学歴は役に立たないと思い直しています。
経歴を聞くと驚くかとは思いますが、私も優秀な人材の概念が変わりました。
(個人情報なので、この場では紹介出来ない事は残念です。)
人を育てる事は、簡単ではありませんが、人を育てようと思っていると不思議と人が来ます。
今いる3名は、特に求人していたわけではないのに、自ら希望して弊社に来て短期間に技術を習得して、弊社を支える技術者として育っています。
期待して多くの時間を割いて育ててきた人達が、壁を越えられずに脱落していったときには、もう人を育てるのは無理か? ロボット化するしか技術の伝承はできないのか? と思ってしまいました。
そこでCADの作図をロボット化しようと思って、色々調べてみたら、最近のBIM化の流れに合わせて、作図の自動化も少しずつですが、進んでいるようでした。
と言う事で、今回はBIM化、BIM化と騒がれているが、今の現場はどうなの? について書いてみました。

No.11「現場で感じるBIM化」

2020.10.15

新型コロナの影響で、仕事が薄くなりあちこち営業廻りをして聞き込んだ話ですが、今後の展開の参考になると思いますので纏めてみました。
ゼネコン大手のBIM対応CADの導入状況としては、あくまで札幌の工事現場ではですが、T社ではAutodesk社のRevit(レビット)が導入されています。AutoCADと同じ会社のBIMですから、導入しやすかったのではと思います。
現在、建築設備専用の3D対応CADで、75%のシェアがあると言われている、ダイテック社のTfasは、このRevitとの互換性を高め、BIM化への対応が進められています。

T社を除く、大手ゼネコンでは、NYKシステムズ社のRebro(レブロ)を、現場担当者のタブレットPCに入れて、3D画像を共有しての現場管理を始めています。
あれ! RebroってTfasと同じ建築設備専用CADのはずなのに、なぜRebro=BIM的に使われるの?と思って、Rebroについて調べてみると、まずCADを購入するのではなく、月決めレンタル形式で借りる事が出来、初期費用を抑えての導入が可能なCADだと分かりました。
これは、Tfasも同じなのですが、Rebroのレンタル価格はTfasの1/2で、且つ導入時のレンタル保証金もかからないので、「チョット使ってみるか」的に導入できます。

つい3年前はT社の現場でも、設備屋がTfasを使って建物の躯体図を3D化して、施工図を描いていたのですが、今はゼネコンが、BIM CADで、建築躯体図を3Dで描くように変わって来ています。
以前の建築施工図は2次元で表現され、2次元のCADがあれば対応可能でした。
しかし、設備は建物のわずかな空間を狙って施工しなくてはならない為、空間を把握するために早い時期から3Dによる作図が求められ、3D対応の建築設備専用CADを使うようになってきていました。
でも建築側にデータを渡す段階で結局、建築側が使う2次元CADデータに戻され、建築側では3Dが見られないという状態が続いていました。いまだに、2次元CADがあればいいという考え方が残っているのは、この為でしょう。
設備施工図を描くのであれば、Tfasの能力はずば抜けていますが、3Dで見られればいいとする建築側から見ると、価格の安いRebroをBIM化の初期段階のCADとして使い始めたのだと思います。

BIMは、建築設計で設計者が使うようになると、本来の機能を生かせるようになると思いますが、現状はCADで作図するのは現場の施工管理者で、設計者・監理者は現場で描かれたものを見て判断する、となるので、現場では当面3Dデータを共有できるCADを使うとなるでしょう。

そんな事で、現場で感じるBIM化とは、「建築側と設備側で3Dデータを共有する事」ととらえ、当社もTfasで作図したデータをRebroに載せて渡せる、体制作りを進めています。

最近応援に入った、中堅ゼネコンの現場でも、Rebroが導入されていて、3Dでのデータ提供を要求されていました。 これからは建築工事においても、3Dデータでのやり取りが当たり前になります。
未だに、2次元CADを使われている方は、3D対応CADへの転換が出来ないと、生き残れなくなります。

弊社のCAD講習でもTfasだけではなくRebroにも対応出来るように、講習テキストの整備を進めています。
技術の進化は、アッと言う間に進みます。 この流れに取り残されないように技術導入が必要です。