No.11「現場で感じるBIM化」
2020.10.15
新型コロナの影響で、仕事が薄くなりあちこち営業廻りをして聞き込んだ話ですが、今後の展開の参考になると思いますので纏めてみました。
ゼネコン大手のBIM対応CADの導入状況としては、あくまで札幌の工事現場ではですが、T社ではAutodesk社のRevit(レビット)が導入されています。AutoCADと同じ会社のBIMですから、導入しやすかったのではと思います。
現在、建築設備専用の3D対応CADで、75%のシェアがあると言われている、ダイテック社のTfasは、このRevitとの互換性を高め、BIM化への対応が進められています。
T社を除く、大手ゼネコンでは、NYKシステムズ社のRebro(レブロ)を、現場担当者のタブレットPCに入れて、3D画像を共有しての現場管理を始めています。
あれ! RebroってTfasと同じ建築設備専用CADのはずなのに、なぜRebro=BIM的に使われるの?と思って、Rebroについて調べてみると、まずCADを購入するのではなく、月決めレンタル形式で借りる事が出来、初期費用を抑えての導入が可能なCADだと分かりました。
これは、Tfasも同じなのですが、Rebroのレンタル価格はTfasの1/2で、且つ導入時のレンタル保証金もかからないので、「チョット使ってみるか」的に導入できます。
つい3年前はT社の現場でも、設備屋がTfasを使って建物の躯体図を3D化して、施工図を描いていたのですが、今はゼネコンが、BIM CADで、建築躯体図を3Dで描くように変わって来ています。
以前の建築施工図は2次元で表現され、2次元のCADがあれば対応可能でした。
しかし、設備は建物のわずかな空間を狙って施工しなくてはならない為、空間を把握するために早い時期から3Dによる作図が求められ、3D対応の建築設備専用CADを使うようになってきていました。
でも建築側にデータを渡す段階で結局、建築側が使う2次元CADデータに戻され、建築側では3Dが見られないという状態が続いていました。いまだに、2次元CADがあればいいという考え方が残っているのは、この為でしょう。
設備施工図を描くのであれば、Tfasの能力はずば抜けていますが、3Dで見られればいいとする建築側から見ると、価格の安いRebroをBIM化の初期段階のCADとして使い始めたのだと思います。
BIMは、建築設計で設計者が使うようになると、本来の機能を生かせるようになると思いますが、現状はCADで作図するのは現場の施工管理者で、設計者・監理者は現場で描かれたものを見て判断する、となるので、現場では当面3Dデータを共有できるCADを使うとなるでしょう。
そんな事で、現場で感じるBIM化とは、「建築側と設備側で3Dデータを共有する事」ととらえ、当社もTfasで作図したデータをRebroに載せて渡せる、体制作りを進めています。
最近応援に入った、中堅ゼネコンの現場でも、Rebroが導入されていて、3Dでのデータ提供を要求されていました。 これからは建築工事においても、3Dデータでのやり取りが当たり前になります。
未だに、2次元CADを使われている方は、3D対応CADへの転換が出来ないと、生き残れなくなります。
弊社のCAD講習でもTfasだけではなくRebroにも対応出来るように、講習テキストの整備を進めています。
技術の進化は、アッと言う間に進みます。 この流れに取り残されないように技術導入が必要です。