有限会社サンエナジー

メッセージ/お知らせ

「建築設備工事、施工管理のミニ知識」

前回、7回のメッセージ「技術者不足の現状からの脱皮」を、掲載してからまもなく10か月が経過します。
その間、当ホームページの更新も止まっていました。ホームページに動きがなかったので、活動が止まってしまったのではないかと思われたかもしれませんが、現状は逆で、弊社は行動を開始しました。
今回は、技術者を育成について、弊社の10か月間の活動を基にお話します。

No.8「技術者育成」

2017.02.22

辞書で「育成」と、調べると。「立派に育て上げること」出てきます。
さらに「育て上げる」と。調べると。「育てて、一人前にする。立派に成長させる。」
と、簡単に書かれていますが、これが簡単にできるなら、どこの会社も苦労はしていません。
今回、弊社は人生経験が豊富な、熟年代の方と、今が働き盛りの30代の方の2名を採用して技術者育成を行っています。二人とも、異業種からの転職者で、建築業界とは縁が無かった方です。
熟年代の方は、「やって見せる。やらせて、間違いを教える。」で、着実に知識と技術を吸収して、どんどん仕事をこなしていきます。現在OJTにて適時指導を行っている為、「本当に初めて施工図を描くのですか」と聞いてしまうような施工図を描くようになっています。
若い30代は、俗に言うゆとり教育世代です。すべて、おぜん立てをして、親切丁寧に、同じ事を何度も何度も説明しても、なかなか理解してもらえません。私たち熟年代が持っているモノサシとは、違うモノサシを使っているようです。この世代、辛抱強く、時間をかけて教えていきたいと思います。
ただ、現場の調整作業はすぐにできるようになります。現場での経験が新しいモノサシを作り出すと思いますので、それまでは焦らないで、気長にいきましょう。

しかしながら、昨今の人手不足尋常ではありません。とある大手サブコンの現場では、派遣で人を集める事は集めたが、誰一人現場経験が無いと言う状況で、手詰まり状況が改善されないまま工事が進んで行きます。(その工事がどうなるかは言うまでもありません。)

また、工事の前段階の設計の現場でも、人手不足の影響が出ています。最近は、工事が着工しているのに、設計図がまだ出来ていない状況にしばしば直面します。
それでも、工期が決められている以上は、工事は進んで行きます。

「ちょっとまってください」何にも決まっていないのに、どうやって工事をするの?
業者に電話さえすれば、何とかなったのは、昔の話です。今は、どこを探しても、求めているような人はいません。「人もいないのに、よく工事を請け負うよな」そんな声を、よく聞きます。
施主様、発注した建物、大丈夫ですか?
「プロに依頼している」と思っていたら、実はスタッフ全員素人だったりしていませんか?

年明けの1月20日に、こんなニュースを見ました。
「マンション発売24年ぶり低水準、価格高騰で需要冷え込み。 - 2016年首都圏」
内容は、所得が伸び悩む中で、人手不足に伴う施工費の高止まりで価格が高騰した結果、需要が冷え込み業者が新規販売を絞る動きが広がった為、3年連続で前年割れになったとの事。
発注する側も、受注する側も共にマイナスです。
コンストラクションマネジメントの原点に戻り、これまでとは違う施工管理の体制作りが求められます。
「仕事はスピード」。「少人数で最大の効果を出す為には」➡プロが必要です。

どんなに熟練した技術者でも、1人では処理できる量は限られます。つまり仕事にスピードはでません。
1人の熟練した技術者を育成するには、10年単位の時間が必要ですが、もし、熟練の技術者と同様の技能を短期間の技能訓練で身に着けた技術者が3人いて、チームで仕事をするとしたら、仕事のスピードは簡単に3倍になるでしょう。

かつて、職業訓練校があり、中学卒業後に技能を身に着けさせて社会に送り出していました。そして、その方々が日本の高度経済成長を支えて、豊かな日本を築き上げてきました。
「今回のテーマ、技術者育成」は、何年も掛けて熟練の技術者を養成するのではなくて、技能訓練で熟練の技術者の持っている技能を短期間に教えて、チームで仕事をする人材を育成する事にあります。
私は、建設業界の施工管理業務の人手不足の解決方法として、一人を育てるのではなく、チームを育てて、仕事の処理スピードを上げる手法を提案します。

新人教育と考えるから、先にご紹介したゆとり教育の30代20代に、てこずります。
人材育成と考えるから、「育てて、一人前にする。立派に成長させる。」となり、短期間には無理だと思ってあきらめてしまいます。

発想を変えましょう。技能講習で即戦力の技能を持った、技術者を育てましょう。
建設現場で必要となる玉掛・足場組立等の資格は、技能講習で取得します。施工管理の技能も同じです。
ただ、教えてくれる人がいないだけです。社内に適任者がいますか?いなければ社外も探しましょう。派遣会社に頼るだけでは、現状を変える事は出来ません。
後継者を育てましょう