有限会社サンエナジー

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「建築設備工事、施工管理のミニ知識」

第3回目として、最近テレビで「知りたくはないと思いますが」で始まる解説のバラエティー番組を見る機会にふれ、 建築工事において発注者さまから見えづらい問題点について、「知りたくはないと思いますが」をテーマにしてお話したいと思います。

No.3「知りたくはないと思いますが」

2015.08.05

東京オリンピックのメイン会場となる、新国立競技場の建設デザインの白紙撤回に関連して出てきた読売テレビの 2015.07.25 に放送されたニュースで、 白紙撤回になった時点ですでに使われたお金について報道されました。内容は以下になります。

デザイン料:(ザハ・ハディド氏に支払われたお金) 14億7千万円
建築設計費:(建築設計事務所に払われたお金) 36億5千万円
技術協力費:(ゼネコン・サブコン等の建築関連会社) 7億9千万円

デザイナーと建築設計事務所で費用のほとんどが使われています。また、上記の費用すべては、物造りの物にまだ手も触れていない、机上の作業に使われたお金です。当然、発注者さまのお金です。 「物が動いてないのに、いったい何に、こんな金額がつかわれたの?」と、顔を覆ってしまいます。
そして金額の差に注目します。

デザインは芸術?です。巨匠の絵画と同じ価値があるのでしょう。たとえ、現実に作ることが出来ない 建築デザインでも、描いてもらって、「幾らです」と言われたら払わなくてはならないものなのでしょう。
でもね・・・・・

建築設計費、国家資格と経験が必要な特殊技術です。今回はデザイナーが別にいるので、建築家としての感性的な要素が含まれない構造強度等の実務設計業務です。 何人の設計技術者が行ったのでしょうか?作図作業のほとんどは外注に出してチェック中心の作業。
この費用の大半は特殊技術料なの?でしょう。

技術協力費、物造りの物に触った経験がある人たちに協力要請をしています。
しかし、一桁小さい金額は何? ほとんどの作業はここがやっています。作業量も一番多いはずです。
ここがいないと、現場の細部を見る事ができず、なにも作る事はできないはずです。
紙に描いた餅を、食べる事が出来る餅に造り上げるのが、ここにいる技術者なのですから、設計事務所同様の特殊技術をもった技術者です。
コンストラクションマネジメントとは、ここの技術を発注者が直接使う事をさしています。

今回の例から見て、建築コストとは、発注者さまの手に渡るものになる前に、違う形で使われているように思えてしまうのは私だけでしょうか。
発注者(お客様)が、お金を出して手に入れたいものは、紙に描いた餅ではなくて、食べる事が出来る 餅だと、私達は思っております。